発車と到着を同時に行う 選択式ポイントの電気配線

単線区間の3線以上の駅で、別々の番線で、駅からの発車と駅への到着を行う場合、
ポイントの切り替え方によっては、関係ない車両が動くことがあります。
完全選択式ポイントでは起こらないですが、選択式ポイントの場合は注意が必要です。

駅両側のポイントが同じ番線の場合(問題なし)

駅を列車が通過できる状態です。ポイントの切り替わっている線路だけ、両側のレールが通電します。他の線路の列車は止まったままになります。他のポイントの切り替え方により、別の列車が動くことはありません。

駅を通過する場合の電気配線

一番上の3番線を通過する場合。

駅を通過する場合の電気配線

真ん中の2番線を通過する場合。

駅を通過する場合の電気配線 駅を通過する場合の電気配線 駅を通過する場合の電気配線

一番下の1番線を通過する場合3種。
上の2、3番線のポイントは、どの切り替え方でも問題ありません。

駅両側のポイントが異なる番線の場合 発車させながら到着させる場合

別々の番線で、駅からの発車と駅への到着が同時にできる切り替え方です。線路が3本以上ある駅では、ポイントの切り替え方により、関係ない線路の列車が動くことがあります。

問題が起きない場合(例外的)

正しいポイントの切り替え方

図は、左から一番上の3番線に到着し、真ん中の2番線から右に発車する場合。

線路が3線以上ある駅で、ポイントの切り替え方により問題が起きないのは、以下の2条件を満たす線路の組合せだけです。
1.端から二番目の線路が、まず最初に一番端の線路と合流する。
2.この、一番端と二番目の線路を使う場合。

端から二番目の線路が、まず最初に三番目の線路と合流する場合は、ポイントの切り替え方によっては必ず問題が起きます。(関係のない他の線路の列車も動きます。)

問題が起こりえる場合 その1:間に線路がある場合

正しいポイントの切り替え方 誤ったポイントの切り替え方

図は、左から一番上の3番線に到着し、一番下の1番線から右に発車する場合。
上は問題なく2列車だけ走行しますが、下では関係ない真ん中の車両が動きます。

関係ない車両を動かさない為には、列車が走行しないポイントも切り替える必要があります。 切り替えるポイントは、駅に到着してくる途中と、駅から発車していく途中、だけではありません。もう片方の列車が走行するルートと合流するポイントの、隣のポイントまで切り替える必要があります。この合流するポイント2個の内、どちらの一方を切り替えても、列車が通過できる切り替え方であれば大丈夫です。この切り替え方であれば、関係ない車両が動くことはありません。

問題が起こりえる場合 その2:外側に線路がある場合

正しいポイントの切り替え方 誤ったポイントの切り替え方

図は、左から真ん中の2番線に到着し、一番下の1番線から右に発車する場合。
上は問題なく2列車だけ走行しますが、下では関係ない真ん中の車両が動きます。

関係ない車両が動かないようにする方法は、上の「その1」と同じです。