線メニューと測定 繋がらない時の調整その1(2/2) : 6-2:補助線を描いて測定する

線路を並べていって、エンドレスの最後で繋がらなくなった時の調整方法です。
あれこれ試す時にレールを重ねて作図できるのがCADの特徴です。


調整方法の全体像


1.重ねてレールを配置
2.「線」メニューで補助線を作図(水色の破線)
3.「測定」メニューで補助線の長さを測る(うまく繋がる組合せを探す)

レールを重ねて作図し、補助線の作図ができたら、測定です。

測定:補助線の長さを測る

下図は、繋がらなかった部分にレールを重ねて作図した場所です。

繋がらない部分の間隔を測定するため、「線」メニューで補助線を作図します。15度毎にチェックを入れると作図しやすくなります。補助線の「始点」となるレールの角の点は、カーブの外側か内側のどちらかに統一しておきます。この図ではカーブの外側に統一しています。

ツールバーの「測定」をクリックして「測定」メニューに移ります。

測定メニューに入ると、ステータスバーに何をすればいいかが出ます。

2点間距離測定の、「始点」を指定します。右クリックで読み取り(Read)で指定します。

まずは、右上の1本だけの直線レールの端から測定していきます。

左下のステータスバーを見ると、次の点の指示となっています。複数の点を順に指示していくと、直近の2点間距離と、総延長(道のり)の両方が表示されます。

右クリックで順に点を指定したところです。

ツールバーの赤丸で囲んでいるボタンで、メートル表示からミリメートル表示に切り替えておきます。

赤い実線が、長さを測っている部分です。最後の点とマウスカーソルの間は、赤の点線で表示されます。

黄緑で囲んでいる部分は、直近の2点間の距離です。ピンクで囲んでいる部分は、総延長(道のり)です。

今、総延長は167.770mmと表示されています。これはS99+S33×2本≒165mmとだいたい同じ長さです。

続いて、横方向の長さも測ります。

黄緑の部分が、直近2点間距離です。

直近2点間距離は、38.2451mmと表示されています。ちょうどTOMIXの複線間隔37mmに近く、S18.5×2本=37mmです。

うまく繋がる組合せが見つかりました。後は不要なレールを削除して、図形メニューで作図するだけです。

(隙間は少し開きますが、馴染ませ繋ぎで大丈夫かどうかは、測定や目分量で判断すれば大丈夫です。)

関係ないレールや補助線を「消去」メニューで削除すると、このようになります。あとは、必要な長さのレールを(重ねてでいいので)そのまま作図すれば大丈夫です。

プラスα 複雑な場合は移動を使うと便利

今回は1本のカーブレールだけでしたが、調整のために作図しなおすレールが何本もある場合は、「移動」メニューを使うと便利です。

カーブレールを移動させる場合の補助線は、図の赤矢印で示す引き方が便利です。(今回の場合はこの補助線がなくても、カーブレールの右端の角を基準点にすれば大丈夫です。)

次は「移動」メニューで、このカーブレールを選択します。

カーブレールを選択したら、次は「基準点」を指定します。今回の基準点は、図のマウスカーソルが指している、補助線の交点です。この場所を右クリック(Read)で読み取ります。

移動先は、図の小さな赤い○で示された交点です。

後はカーブレールと両側の直線レールの間に、端数調整用の直線レールを作図すればできあがりです。

直線レールを作図し終わったところです。図を見ると少し隙間がありますが、馴染ませ繋ぎで大丈夫かどうか心配でしたら、「測定」メニューで隙間を測ることができます。

図では右上の隙間が2.77037mmと出ています。CAD上では繋がっていませんが、実際には馴染ませつなぎで大丈夫でしょう。周りの分岐・合流で馴染ませつなぎが難しい場合は、右上のS140をS70+S72.5≒142.5mmに変更して、隙間を約2.5mm減らして1mm以下にすることもできます。